2013年10月22日

91. あなたはだあれ?(1)

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通常、雄蜂さんは生まれる時は唯一の使命、結婚のため繁殖期に何千何万と生まれ、繁殖期の終わりと共にその短い生涯を終えます。群れの終焉とともに生まれることもありますが、いずれもたくさんの兄弟が一斉に生まれます。季節はずれに一匹だけ生まれたが故に普通以上に身を持て余し、悩みが深かった殿下。今はもう繁殖期を遠く過ぎ、間もなく晩秋。普通は雄蜂がいない季節にまでも元気でいることを訝ってのお呼びみたいですね。長生き、いいじゃないですか! ねえ。「漫画だから!」では駄目ですか、女王様〜!

寄生虫って…でも寄生虫って基本的に産み逃げだから、産まれた方は自分は寄生虫だという自覚はないものかも? しかし寄生虫とはひどい! 黒くて大きいしゴ…とか言われないだけマシなのか?

しかし、ここでねえやから助け舟が?

※基礎知識
ミツバチさんに耳はなく、空間を伝わる音は聴こえないらしいですが、巣板の振動を通して意思疎通ができます。たくさん平行に並んでいる巣板は上の方でつながっているので…王室もへちまもなく、巣板の上で内緒話はほぼ無理でしょう。

※追記
ダンスの振動などは巣板の振動を利用し効率よく伝わるようですが、触角のジョンストン器官で空中を伝わる音もちゃんと聴こえているということを、その後知りました。

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posted by せいちんデザイン at 05:36| ミツバチ漫画

2013年10月21日

90. 傾向と対策

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ふたつの川は合流していた。それぞれ独立では影響の無い物質が混ざった時初めて害をなすのか、単に絶対量が増して閾値を超えてしまうのか。

危ない目に遭いながらも敢行した調査ですが、何が子供達のお腹を壊したのか、よその家を空き家にしてしまったのか、残念ながらミツバチさんに分かるのは、上流で見つけたさまざまなうちのどれか(幾つかかもしれないし、全てかもしれない)に原因があるらしい、というところまで。スッキリ解決しなくてごめんなさい。ですが、実は私たち人間にとっても、現状はこんなものなんです。

人体には安全とされていたさまざまな化学薬品が当初説明されていた通りには減衰していないどころか濃縮されて溜まっていたり、規定通りに使えば安全なのに現場で希釈率が守られていなかったり、それぞれの現場では正しく安全に使っているのに、混ざると毒性が急激に上がったり。たくさんの虫がひっそり死んでいく中で、ミツバチさんだけは人間が群れを管理しているので「突然失踪」したのが見えているだけなのでしょう。そして、虫が先に死ぬのは、ただ人間より体が小さく致死量も少ないから。多くの毒物はヒトと昆虫を区別して選択的に攻撃するわけではなく、程度の差でしかありません。目に見えるミツバチさんたちの犠牲によって、見えない危険が静かに拡がっていることがわかってきました。

よく洗えば大丈夫と思われていた農薬ですが、強力な浸透性農薬の登場で従来の常識は通用しなくなっています。欧米のCCDの原因は農薬だけではないということは、農薬が安全ということとイコールではありません。ここがわかりにくいんですが。一定レベル以上のある種の農薬に晒されるとミツバチが死んだり巣に帰れなくなったりすることは既に実験でも証明されています。日本で養蜂家が農家を訴えた裁判では見舞金で示談になっていて「有害である」という記録が残らないのは隠蔽体質などではなく、補償がすぐ必要な養蜂家のための措置だと信じていますが困ったことです。農薬をやめてもCCDが治まらないから農薬はシロ! という思考は、譬えていうと、血を流して苦しんでいる人に対して「頭を殴るのをやめても血が止まらないから殴り続けてもいいね!」と言っているような筋違いの議論ではないかと思います。(前にも述べましたが、私は日本ではまだ現象としてのCCDは起きていないと理解しています)

重要なのは、犯人・悪者探しをするのではなく、皆にとって安全な世界になるように原因を究明することだと思います。関係者全員、誰にも悪意が無く、失敗もしていなくても問題が起きることはあり得ます。震災後も強く感じました思いましたが、同じ危険な世界に生きる者同士、意見の異なる相手を攻撃し合うのではなく異なる視野をもった同士として助け合った方がお互いにとって無駄も無く問題解決への近道となることでしょう。

諸先生方の尽力で安定して検査が行われ、放射性物質に関しては何をどう気をつければいいのか分かってきたと思ったら、検査が行われているのかいないのか、どんな種類でどんな毒性や影響があるのかさえよくわからない薬品を毎日口に入れていたかもしれません。

日本では危機感を持ったひとたちの働きかけで北海道や長崎などごく一部の自治体で使用が制限されている浸透性のネオニコチノイド系農薬も全国レベルでは規制されていません。地域によって大規模散布前に養蜂家に連絡がなされる/問い合わせれば教えてくれる/問い合わせても教えてくれない、など対応に差があるそうです。養蜂家でなくても、大規模散布前には全住民に光化学スモッグ注意報同様に防災放送などで報せるべきではないでしょうか。小さなお子さんのいる家庭など、そんな日には外で遊ばせたくないことでしょう。

殿下が引っ越しを考えているように、環境が悪化した時、訴訟も市民運動もできないミツバチさんにできるのは巣を捨てて逃げることだけです。「ニホンミツバチはすぐ逃げるので飼いにくい」とされますが、この「逃去性」はミツバチさんの立場に立てば自衛手段ですから長所だと私は思います。だからこそ明治時代からの西洋蜜蜂の導入と森林伐採・非蜜源植樹・土地開発やその他の環境の劣悪化にも拘らず今日まで生き抜いてくれたのだと。

ブログなどでしばしば「理由もなく逃げた、本当に神経質だ」などという記述を目にすることがありますが、ミツバチさんの立場から言えば、今回の話のように何かの危険を察知して引っ越したのかもしれないと理解してあげてほしいです。ミツバチさんにとっても巣板を一から作り直すのは大変な負担なのですから、意味も無く気まぐれに引っ越すはずがありません。

今、CCD問題を受けて「西洋ミツバチが駄目ならニホンミツバチ」とばかりにニホンミツバチの品種改良に利益が見込まれるようになり活気づいているようですが、環境に敏感な性質を「神経質」、群れを守るための「逃去性」を「飼いづらい」欠点として品種改良によって減らそう、無くそうというのは、ニホンミツバチさんが長年築いてきた生きる戦略を否定し、奪うことです。人間の都合で女王蜂を1年で取り替えてしまうから効率を考えてでしょう、人工授精で女王蜂に本来必要な受精回数より圧倒的に少ない受精しか行われていないことも、雄蜂たちが命がけで守ってきた「遺伝子の多様性による群れの強さ」を奪う結果になることは明白で、心配です。長い目で見るとニホンミツバチという種を弱体化し、それでも押し進めれば、いつかニホンミツバチ独自のCCDへと追い込むことになるのではないでしょうか。杞憂ならいいんですが。

さて漫画に戻りますと…

いろいろ提案しようと追いかけてもなかなか会えない女王様の方からお呼びとはお珍しい。一体何の御用でしょう。

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posted by せいちんデザイン at 05:04| ミツバチ漫画

2013年10月20日

89. A river runs into it

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そうです、殿下の名誉のために言っておくと、採餌係の頭の中にはかなり詳細な地形の地図ができるらしいので、雄蜂さんの頭の中とは違っていてもしょうがない、ということです。

でも雄蜂さんたちは周囲を見ながら家の位置を確認して覚える練習飛行に参加しないのに遠くの結婚式会場まで飛んで行ってきちんと帰ってくるのですよね。働き蜂さんと同等くらいにある脳を全てそれに使っているわけじゃないですよね? 雄蜂さんが出かける季節は夕方の集合フェロモンによる玄関灯サービスがあるのではないかと私は思っていますが、どうなんでしょう。

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posted by せいちんデザイン at 05:46| ミツバチ漫画