2013年09月27日

66. ヨウホウの父

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「三角関数? 何に使うんだよ、だりー!」
「三角関数はすごいですよ! ピラミッドだって三角関数を使って計算されているのです!」
「俺ファラオになる予定ねーし!」(←計算は技師の仕事だと思うよ)

誰でも三角関数/積分/因数分解で苦し紛れに先生にこのように絡んだことがある、あるいは絡む人を見たことがあるのでは。先生もヘタクソですよね。ピラミッドなんてぶっ飛んだ例ではなく、「シューティングゲームで手抜きなサインカーブの敵の動きを見切りやすくなる」とかもっと卑近な例を出さなくちゃ! わかってても吸い込まれて衝突するんですが…。

さて、英語でこれに当たるのが

「古い英語なんてイラネー! アメリカ英語の方が将来仕事で使えるんじゃね?」
「シェイクスピアが原文で読めますよ!(ウットリ)」
「え〜、読みたきゃ日本語で読むしそのうち漫画化されんじゃね!」

ではないでしょうか! ちなみに生徒は私ではありません。

でも、シェイクスピア英語も、実はずーっとずっと後になって思いがけず蜜蜂さんにハマッた時に英国養蜂の父の著書を原文で読めるという恩恵があったのでした。これは予測できなかった! というわけで、故ジョブスも「人生に無駄なものなどない」と言っているように、乏しい資源を最大限に活用することが上手な(本当に古い、なにげない情報を引き出して間に合わせたりしますよね)人間の脳の栄養として、いろいろな体験はもちろん、わざわざむこうから教えてくれるというものを拒否するなんてもったいないことです。ああ、もっと真剣にやればよかった!

枕が長くなりましたが…

地図でヤケクソになって文字も読めることにしたわけではありません。これは「お悩み相談」「広報」のような番外編だと思ってください。蜜蜂さんサイズのシェイクスピア時代の原本も多分現存しないと思います!

漫画の中に原文が使っている単語を入れたのは、「雄蜂=怠け者」とする箇所が、雄蜂(drone=怠け者の意味もある)を私が誤訳しているのではなく、わざわざidle companionという別単語を使うことで養蜂の父が意図をハッキリとさせていることを伝えたかったからです。

「今でこそ蜜蜂が足りない、授粉がされない!」という叫びが上がって蜜蜂さんの仕事の大切さが理解されつつありますが、昔は蜜蜂が蜜を吸うと花が弱る、と、信じられていた時代もあるそうです。次の飼育書の著者があるいは参考に、あるいは引用にし、またその次が…と繰り返し今に至るためか、現代の飼育書も子孫を残すという役目があることはさすがに書いてありますが、雄蜂に対する基本姿勢は大差なかったりします。現在の雄蜂さんたちが受けているひどい扱いについて、草分けのこうした態度が後代に与えた影響は大きいような気がします。

人は先入観に割と弱いですから。とりあえず、わからないことを断言するのはよくないですよね。わかっていないということをわかっていないから断言してしまうのですが。

本当に現れて反撃してくれないかな、養蜂の母!

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posted by せいちんデザイン at 05:35| ミツバチ漫画

2013年09月26日

65. 目印

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蜜蜂さんは初めて外勤に出る前は巣を見ながらホバリングして周囲の情報を覚えているらしい「定位飛行」と呼ばれる訓練をしますが、そこから始まって巣の四方八方を飛び回るうち、頭の中にはかなり正確で緻密な地図が出来上がるらしいです。

そもそも蜜蜂さんの暮らしをできるだけ忠実に描くという掟(マイルールですが)を破ってまで筆を持たせた理由の一つには、蜜蜂さんの頭の中にある地図を私も見せてもらいたかったから、というのがあります。

すごいなと思うのは、土地勘がないうちはコンパスや匂いを頼りにして帰巣しているのが、慣れてくると視覚情報を優先するあまり、人間がいたずら…じゃなくて科学的実験のために周辺のものや巣箱そのものの位置を変えたり、色を変えたりすると、ついだまされてしまうところです。でも客観的情報も、探す能力も持っているので「あれっ?」となった後は、かなりひどいいたずらであっても、多くの場合はキチンと元の巣を見つけて帰るのですね。

だまされるなら、すごくないではないか、と思ってはいけません。人間も慣れてくると「こうなっているはず」との見込みで行動して同じように勘違いをしますよね。蜜蜂さんのように小さな体でも、そのように情報の優先度があり、ルーチン化した行動には脳の省力化が行われるというところがすごいではないですか。

私は蜜蜂さんを好きになっていろいろ本を読むようになるまでは(つい最近のことです)、昆虫の行動は化学反応のように一本化された処理だと思い込んでいたので、今も毎日ビックリさせてもらって楽しいです。

日本のミツバチ博士と呼ばれる故坂上先生が著書『ミツバチの世界』で言っておられた、人間と昆虫とは発生の過程がお尻から、口から、と、別の系統なので人間が全ての頂点なのではなく、蜜蜂は違う系統の頂点なのだということを認識すべきである、との言葉の重みをCCD問題について考えていると、つくづく感じます(言葉はうろ覚えです。名著なのに絶版で図書館で借りて読みましたが手許には無いものですから)。

ちなみに、葛が原は焼いたくらいでは「大丈夫、すぐ戻る」のは本当です。うちの近所の、日本蜜蜂さんを見かけた葛は今は花が終わっていろいろな虫さんたちの仕事の成果として毛むくじゃらの豆鞘がいっぱいぶらさがっていて、触るとフサフサと気持ちがいいです。放置してくれているご近所さんありがとうございます!

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posted by せいちんデザイン at 05:45| ミツバチ漫画

2013年09月25日

64. 花地図

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現実社会で人間が花地図を再現できないか考えてみました。壁の一つがガラスになっている観察巣箱で逐一ダンスを読み取って記入していけば可能なはず…。

1年これを続ければ、そこにはその地域の季節のお花マップが!

ニホンミツバチさんの場合はヤブカラシやカナムグラなどの野草がたくさん記載されそうなので人間のお花巡りにはイマイチかもしれないですが、ダンスの示す蜜源を歩いて探すのは楽しそうです。1つや2つなら、ですが。趣味で飼っていて、これを実際にやってみた人達もいて羨ましい限りです。

あ、でも目を剥いてダンスの記録をしなくても、今はマイクロチップをつけたりしているのでしたね。あんな大きなものが頭に…気にならないかな〜。私なら間違いなくその日のうちに頭痛でしょう。羽化した時からあるのでそういうものだと思うのでしょうか。あまり相互に身繕いし合わない西洋ミツバチさんだからまだしも、ニホンミツバチさんだったら仲間がダニかと思って「噛み殺して」捨てようとするかもしれないですね。

実験の過程で脚をとったり手をとったり触角をとったりするよりはずっとマシですが…

いずれにせよ、真っ黒になってフィールドを駆け回らなくても個々の蜂がどこで何をしてきたか手に取るようにわかるというのはすごいですね。不思議な立寄場所とかあるんでしょうか。

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posted by せいちんデザイン at 05:00| ミツバチ漫画